僕は本来教員になれるような性格の人間じゃないから

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僕は本来教職員に向いていない気質の持ち主だ、と、この職に就いたときからずっと思っている。
人の顔や名前もなかなか覚えられないし、外ヅラはいいしその場で適当に話をあわせられるけど、それにしても相手のことをすぐ忘れすぎる。
占いでも言われるのが、「あなたは基本的に他人に興味がない」。
じゃあ何でこんな職業ついたんだ、と言われたら、それは金を継続して稼ぐという目的と、後は多少の社会貢献の意識で。

けれど、クラス担任を持ったら、やはり受け持ちクラスの生徒のことを第一に考えなくてはならない。
そうなると、つくづく辛いのは「日本のクラスサイズの大きさ」である。
高校は40人クラスが基本、40人あまりのことを把握するのはなかなかに大変だ。
そのため、クラスノートを作って対応しているのだが…

それでも、その40人あまり、全てにきちんと声かけできているか?となると、私は自信がない。
どうしても「目立つ生徒(いい意味でも、悪い意味でも)」と話す回数が増え、そうでない生徒と話をすることがないまま…
もちろんクラス全員とタイマンで話す個人懇談の機会はあるが、それ以外…
忙しい毎日で、雑談の時間もなかなか取れないから。
なので、秋が深まる頃から冬、私はこういうことをやっている。

これは、生徒の出席番号を書いたもの。
そして、「連絡やモノを渡す『以外』」の会話がその生徒とできたら、その番号を線で消す。
これにより、「ああ○○さんや××さんと話せてないわ、明日話そう」となるのである。
内容は本当くだらなかったりする。
勉強の話だけではなく、クラブの話、趣味の話、テレビの話…
けれど、私は思う。
たとえ内容がくだらなくても、クラス担任が「○○さん」と名前を呼び、個人的に話をしようとすることが大事なんだって。
クラス全員が私のことを好きなはずはない、1割2割は私のことが嫌いで死ねって思っているかもしれない。
でも、そうであったとしても、「担任から一切話しかけられない」なんて、そんなことどの生徒にだって起こってもいけない。

なので、私はこの活動をやっている。
教員に向かない人間なのに教員をやっている、けれどクラス担任として多少でもマシであるために。
今年も、何とか自分の受け持ちクラス41人全員と、しょうもない話をすることができました。

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