東京大学高大接続研究開発センター主催シンポジウム「大学入学者選抜における英語試験のあり方をめぐって(2)」にいってきた

Pocket

https://www.ct.u-tokyo.ac.jp/news/20190110-symposium2019/
東京大学高大接続研究開発センター主催シンポジウム「大学入学者選抜における英語試験のあり方をめぐって(2)」にいってきました!
ついったでのお知り合いが出てるから東京まで行ってきたんだ(*˘◯˘*)
登壇メンバーとしては「慎重派・反対派」が揃っているので、賛成派がいればなあ…とも思ったです(*^◯^*)

まず、私個人としては、「英語民間試験を『悉皆の形で』大学入試に使うことには反対」で、
それぞれの大学や学部が必要であれば組み込めばいい、と思っている。
例えば、スピーキング能力が必要だと言うのならば、それは大学個別・学部個別で課すべきだと思っている。
全員留学させるという学部であればTOEFLを受けさせてくるのもありだし、経営学部なら将来を見据えてTOEICを…というのも面白いだろう。
国公立なら全部!とかいうのが嫌なのである。何でやねん感。

そもそも、「何のために英語民間試験を大学入試の受験に必須にするのか?」ここが私は納得いっていない。
まず、最初に、公立高校英語教員としての私個人のスタンスを書くと、
私は「大学入試を変えることで高校の英語教育を変える、という考えは間違っている」と考えている人間です。
第一に、「高校生のうち大学に進学する人間は多くても半数ていど」だからです。
え、残りの生徒のこと考えてくれてます?
就職組にとっては、学校で受ける英語教育ラストですよ?
第二に、「高校英語教育は高校指導要領に基づくものであり、大学の教育準備機関ではない」
もし現在の高校英語教育に問題があると思うなら指導要領、そしてその指導要領に基づく実践が今どんなもので、そしてその実践が何故上手くいってないか、その分析が先では???
さらに、大学側が「こういう英語能力を身につけた生徒がほしい!」ってんなら、そういうの二次試験でやってください。それでいいと思います。
第三に、「四技能を取り入れた授業をすることに、四技能をはかる認定試験を入試に入れることはマストではない」
大学進学者が少数しかいない学力困難高であっても、スピーキングやってる高校はあるよ?
それってむしろ、授業者である教員とその同僚にかかわる部分じゃね?

というわけで、「スピーキングを含む英語認定試験を大学入試として受験生に『強いる』ことで、高校英語教育を変えようとする」ことに、私は強い違和感と反感を感じているのだ。

そして、これは私個人の経験に根ざすのだが、もしこのシステムが私の受験生時代にあったら、私は大学受験自体が厳しかったと思う。
経済的余裕のない家庭が増えてきており、入試に関する支出が増えることに対して保護者の理解が得がたい家庭だってあるだろう。
私は家庭的経済的事情から、塾や習い事・予備校はまったく無理で、検定系も受けたことはなかった。
また、大学受験は「いけるのは国公立のみ」という条件で許してもらったわけで。
その一方で、金を潤沢に子どもに注げる家では、そりゃあたぶん高1の段階からバンバン受けさせて慣れさせるんでしょうね。
貧富の差をことさらに子どもたちに痛感させてどうすんの、下位層の固定化を防ぐ手段の一つが何より教育でしょうに…

今回のシンポジウムでもあったが、入試における点数配分などのウエイトを小さく…の方向だと、金を出している受験生・保護者が報われない。
さらに言えば、私の勤務地は大都市圏(大阪)だからいいが、47都道府県すべてでちゃんとできるのか?という点で、民間業者に投げるのはあまりに無責任だ。
一番やばいのはめちゃくちゃ広すぎる北海道、その北海道が持つ国公立大学・北海道大学は「2021年度は出願要件にしないよ!」とした。賢明な判断だと思う。
https://www.hokudai.ac.jp/admission/admission-info/322020-1.html
受けに行くのに宿泊や長距離移動、それに伴う金銭的負担…
それで「ウエイト小さくするよ!」ってなったら、「金返せ」って言いたくもなるよな。
費用の差もでかすぎる。スライド参照。

(ただ、これに関しては、1年やってからの「ほら、高くて困るでしょ?だからB社のに全国統一しましょうね~」っていう策略があるんじゃないかと邪推してしまう)

受験生のプラスになるように、だから英語民間試験を課す、というのならば、
「作られた目的がまったく違う」英語民間試験を一列に並べたのはもっともっとおかしい。
TOEFLは「Higher Education機関に留学予定の学生」を対象に含んでいてそりゃもう留学目的だし。
TOEICにいたっては「オフィスや日常生活における英語によるコミュニケーション能力」と書いてあるぞ!
強いるなよ…割と一般的な英検だって、受けたいときに受けさせろよ…

さらに、2018年度第3回英検において、こんな問題も出てきよったぞ~
http://www.eiken.or.jp/eiken/info/2019/0208_01.html
従来型、実用英語技能検定(準会場実施)答案用紙未着に関するご報告
まとめると「答案なくした」
これ、実際に大学入試かかってる生徒のものだったら、土下座ですまないよね…

今回のシンポジウムでは、それぞれの登壇者の方の危機感がすごく感じられた…
私としては、静岡大学のワタリ先生の
「授業者がきちんと知って意識していないと…試験の変化が本当に授業改善に結びつくかはわからない」
というのが重くこころにのしかかった。
だって僕は、現場の教員だから…(*´◯`*)

大学入試センター試験のことも学べてとてもよかった。
もちろんあまりよくない点もあったかもしれないけれど、一定以上の質を保った問題を作り続けるのは本当に大変だったことだろうし、
問題が公開されているからこそこうやって分析もできる。
(問題冊子のお持ち帰りを禁じられているTOEFLとか今後どうすんのかな?でも変わらないだろうな)
それを無碍に放り投げてしまっていいのだろうか…

この英語検定試験の大学入試への導入、全てにおいて「拙速」ということばしか浮かんでこない。
「もう決まったから!だから後はどうやるか細かい方法を決めるだけ!」っていうのは本当にまずいと思う。
準備ができていないなら、まず「実施を中止する」べきではないか。
そして、本当にできるのか、いやその前に本当にやる「べき」なのか、そこを考えなくてはいけないのではないか。
そんなことを改めて噛み締めた東大シンポだった。

有志の方がまとめてくださったtogetterはこちら
https://togetter.com/li/1318020

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA