スピーキングとリスニング特化の授業をやってみてる その1「エイカイワ」

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カリキュラムが変更になると、「なくなってしまう」科目もある。
学校独自で設定している科目がそうだ。
で、今年、私がその「今年で終わり、消えてしまう」科目を担当している。
しかも、私一人ですべてをもっている。

と、いうわけで、その科目ではけっこう独自に授業を展開しているわけだ。
そのうちのひとつ「実用英語演習」でやっていることをご紹介。

「実用」の名前からわかるように、けっこうこれまでは英検とかの問題をやっていた選択科目なのだが、今年これを思いっきり変えた。
けっこう珍しい「リスニング」「スピーキング」に全振り、という科目に。

この授業は、3つのパートからなっている。
1、「エイカイワ」
2、Long Story Listening / Cross-Cultural Listening
3、My own Opinion

このエントリでは、「エイカイワ」について書く。

もともとは昨年度、コミュニケーション英語Ⅱの帯学習として作った教材を転用している。
流れはこんな感じ。
「毎回ひとつのトピックに使われそうなフレーズや語を学習→ペアで会話練習」する。
いちトピックは、2回分の授業で完成する。

まずは1回目は練習だ(12-3分)。
トピックのキーフレーズ・キーワードが書かれたハンドアウトを配布、発音練習

ペアで2分、ずっと英語で話を続ける

ペアを変えて3回練習を行う

ちなみにペアの変え方は以下のとおり。
A よこペア 列の隣の生徒と

B たてペア 前後で 7列あるので一番後ろは3人

C よこかえペア まず、真ん中二列の生徒を場所入れ替え(ハンドアウトだけ持たせて)

そして、Aのよこペアのようにペアを作る。

欠席者がいる場合は、場所をつめさせること。

ハンドアウトはこんな感じ!

これが授業の1回目。

そして、2回目は「テスト」のターンになる。
ルールは以下のとおり:
クラスの名簿からアトランダムに二人を選び、1分30秒そのトピックについての会話を「続ける」
チェックポイントは3つ:
えいご(英語で話していること)
あいづち(相手に対するレスポンスを返している)
しつもん(必ず相手にも質問をすること)

<つまり、文法的なミスは一切見ないし減点対象ではない、ということだ>
4秒間空白があいたら二人ともから点を引く

以上のとおり、「自分がいつあたるかわからない」「相手が誰かもわからない」「4秒空白で減点される」ので、生徒の緊張度はけっこう高い。
この「4秒空白」ルールが、この活動が「エイカイワ」であり「英会話」でないことの象徴だ。
実際の会話では、会話が途切れて間が空くことは普通にありうる自然なことだが、それを排除しているからだ。
何故かと言うと、「生徒の受身の姿勢をなんとかしたい」というのがこの活動の主目的にあるからだ。
英語の発音が苦手、何て言っていいかわからない、話題のふり方がわからない…
色々生徒が英会話をするのに心理的な障壁があるわけだが。
相手に質問されるまま、イエスとかノーとかしか言えない、相手からのボール待ちの姿勢。
これを何とか変えたくて、この「強制的英会話」を考えた。
実際の英会話でも、うまく説明できなかったり、会話が途切れたり、英語でなんていうかわからなかったりするだろう。
けれどそれでも、別の表現を使ったり、自分から話題をふったり、何とかかんとかしていくべき、会話に参加していくべきだと私は思っている。
だって、会話は「他者とのキャッチボール」なのだから。

Accuracyについては正直ぶん投げているわけだが、
ほぼ全員が大学進学希望する現在の勤務校ですら、この「エイカイワ」で焦ると
“What do you like subject?”
になってしまう現状で、accuracyまで厳しく言ったらもう子どもたちしゃべれなくなるので…(*´◯`*)

この「エイカイワ」のハンドアウトもおいおい載せていくんだ!
「エイカイワ」タグでちぇっくちぇっく(*^◯^*)

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